過去ログ(2007.11.04〜2008.04.30)百件

2008年02月25日 施設にあったチラシ 〜改正介護福祉法は日本を救うか?〜
 私が事務員として勤めている介護老人保健施設の事務室窓口にこんなチラシが置いてありました。

 「公開シンポジウム
 改正介護福祉法は日本を救うか?
 ―今、介護職が要支援―

 開催ご案内

 平成19年11月28日第168回臨時国会において、「改正 社会福祉士及び介護福祉士法案」が可決さ れ、これまで3年間の実務経験があれば受験できた介護福祉士は、別途600時間の講義を受講しなけ れば、介護福祉士の受験資格が得られなくなりました。
 これは、確かに質の向上に係わる改正ではありますが、日本国内津々浦々の介護の現場では激し い動揺に見まわれております。
 介護職員には働きながら介護福祉士の資格を取得するというキャリアアップの夢が、受講料の出費 及び受講期間の減収という費用の面から遠のくことになり、一方施設側にとってはただでさえ介護職員 の不足で窮しているところに、受講期間の代替介護職員が確保できるのか?といった問題に直面しま す。
 更に、今回の改正ではホームヘルパーの1級、2級については全く言及されていません。
 ヘルパー資格からのステップアップの道の確保は、子育てが終わった主婦にも、人間と触れ合う仕 事が好きだといって介護の世界に入ってくる心優しい若者にもアクセスの点で都合良く、介護職員のサ ービスの質の向上において不可欠であり、現場の介護職員のモチベーションを維持・向上させる点で も、多くの労働力を確保できる有り難い道でありました。
 それが今回の改正で雲散霧消した形になっています。
 介護労働の問題については、昨年、愛知大会で開催したシンポジウム「愛と知の担い手は何処に」で は大きな反響をいただき、介護職員の不足や厳しい労働環境をいかに改善するかを議論しました。
 実際、昨年、当会で実施しました介護職員人材確保に関する調査では、欠員が生じた際の応募状況 について、「募集してもなかなか応募がない」と「応募があるが欠員補充には時間がかかる」との回答 が合せて83.2%にも上り、介護職員の確保難が浮き彫りになっています。
 介護職員の給与問題は、事業所の経営手腕との声も聞かれますが、介護保険施行後、介護報酬改 正の度にマイナス改定となり、事業所の収入は減少の一途を辿っているほか、原油の高騰等に伴う物 価の上昇で運営経費は増大し、すでに事業所単位で給与問題をどうにかできる状況ではありません。
 また、インドネシア等の外国からの介護職員を受け入れるという試みが今年から始まりますが、2年 間で600人の養成予定ですから、介護職員の不足を解消できる取り組みではありません。
 本気で介護職員の不足を海外の労働力に頼ろうと考えるなら、10万人単位の数字で受け入れをする 準備と、入国した方々のみならずその家族も呼び寄せられるような制度も作る等、かなりの覚悟をしな ければなりません。
 これらの議論も踏まえ、今回、改正介護福祉士法について正しい解説を行政からお願いするととも に、それを受け入れる現場と関係有識者をシンポジストとして迎え、介護職員が働きながら資格を取得 し、働きながらキャリアアップを図れるような支援策の有無や、さらには、介護の世界がより魅力的で 安定した収入が得られるような底上げの道を探るため、本シンポジウムを開催いたします。

 ☆対象者:どなたでもご参加いただけます。
        ただし、先着300名様。(当日受付はいたしません)
 ☆参加費:無料

 いやいやいや。

 そもそも。
 高齢者介護の職に就くのに、介護福祉士の資格は要りませんから。

 さらに加えて。
 労働者に対して良心的な待遇を行っている極一部の施設を除いて、介護福祉士の資格を持っていて も給与UPに繋がりません。

 それどころか。
 苦労と努力を重ねて介護福祉士の資格を取っても、求人側が条件に反映させない以上、それは張子 の虎。
 介護福祉士の資格を持っているのに、持っていない人と同じ条件で、過大な期待を背負って働かなく てはなりません。
 「あの子は、介護福祉士の資格を持っているのだから、コレくらいの仕事は独りでこなせて当然だ」と か、「あの子は、介護福祉士の資格を持っているのだから、現場の責任者になってもらおう」とか。
 でも。
 給料 は、 無資格者 と 同 じ (笑)

 ようするに。
 政府は、高齢者介護の質を充実させる目的で法改正をやるワケじゃないんだよ。
 少子化&ジャパンブランド衰退で高齢者介護の崩壊は不可避な未来。
 だから、高齢者介護が崩壊するまで利権に群がって甘い汁を吸い尽くそうってのが法改正の正体。
 足元の見えてない理想論を信じて疑わない若者へ、実用性の希薄な講義を受けさせて、その受講料 で美味しい想いをしようって算段だ。

 ホントウに高齢者介護の質を高める目的で、介護福祉士の受験資格を厳しくするのであれば、その 質の高い技能を介護の現場へ持ち込ませるように誘導しなくては意味が無い。
 つまり。
 最低限でも、「職員数に一定以上の介護福祉士資格所有者を含まないと高齢者介護施設として認可 されない」てのは当然として、「施設職員に含まれる介護福祉士の割合に拠って介護保険の給付金額 が変わる」くらいのコトはやらないと。
 でなけりゃ、金拝思想の経営者は、人件費の嵩む資格所有者を忌避するだけのことだ。

 介護職員になるために介護福祉士の資格が必要でない以上、介護職員の確保難は介護福祉士資 格の取り易さ or 取り難さと何も関係もありません。

 ようするに話がスベってるんだよ。

 バカナンジャナイノ?



 ☆追伸☆
 コトバが悪くて申し訳ないが、海外からの介護職員受け入れは、極めてハイリスクです。
 たとえば、海外から来た介護職員が病気になったりケガを負った場合に医療費はどうすんの?
 まさか全額個人持ち?
 まさか医療保険に加入させる?
 まさか全額国庫負担?
 たとえば、海外から来た介護職員がお爺ちゃんお婆ちゃんを虐待したらどうすんの?
 「旧日本軍から受けた扱いに対する復讐じゃ」とか言い出したらどうすんよ?
 親日の国から来るなら大丈夫なんて思っていないよね?
 親日の国が親日な理由の大半は、日本の戦後復興に対する憧れと尊敬の念であって、戦時中の日 本軍が規律正しく、現地の人たちを大切に扱ったからではないYO。
 たとえば、海外から来た介護職員がホントウに家族を日本へ呼び寄せたらどうすんの?
 介護職員の手取り給与15マンで複数(しかも向こうは大家族)が生活できると思うのか?
 飢えて餓死者でも出たら、ミンスが国会で大活躍しちゃうゾ(笑)。
 ま、普通は犯罪の増大だわな。
 だいいち。
 今でもこーゆー職種は、他の仕事に就けない“少し遅れた人たち”の貴重な就職先だというのに(そ れはそれでヤバイことなのだけれど)。
 彼らから職を奪ったツケはどうやって払うつもりなのか?
 国庫からなんて無理だからな。
 オニギリが食えなくて餓死者が出ている国なんだから


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