過去ログ(2006.12.13〜2007.11.02)百件

2006年12月23日 カミさんのマーチがドナドナで…なんと! ホルクスワーゲン BORAになっ ちゃった
 カミサンの実家の親父さんが、クルマの運転から降りることになりました。
 別段、事故を起こしたワケでもなければ、道路交通法違反で免許を取り上げられたワケでもありませ ん。  ただ、生来あまりクルマの運転に向いていないヒトなので、高齢に伴う能力の低下を懸念した家 族から、もう乗るなと言われたらしい。  本人もさしてクルマ趣味嗜好はないので、素直に従ったとの こと。
 聞いた話に拠ると、速度制限にさえ届かない【超鈍速】でノロノロ巡航するらしい(そういう高齢ドライ バーは珍しくありませんが…)ので、まぁ、運転されない方が円滑なモータリゼーションの役に立つので はないでしょうか。

 さて、そこで問題となるのは、義父さんが乗っていたクルマの始末。
 1999年10月に発売されて以来、2006年までマイナーチェンジだけで販売され続けて来たフォルクスワ ーゲン・ボーラのV5である。
 手放す際にハナテン中古車センターの出張見積もりをして貰ったら、なんと!買取値40万円! 3百4 拾1萬円と新車価格はMYエボよりも高いのに!
 幾らもう乗らないとはいえ、40万円で手放すのは悔しいので…ウチのカミさんが買い取ることにしまし た。
 さて、BORA_V5_RHDを買い取るとなれば、必然K11マーチを手放すことになり…その買取値が、これ またタッタの…5万円!
 ご ま ん え ん。
 BORAの買取値といい、幾ら何でもボッタクリ過ぎないか?
 確かにBORAは、あちこち摺ったり凹ましたりしているので、グルリと一周板金する分のコストが掛か るけど、任意保険の車両評価額が140万円ですよ。  幾ら板金代が掛かると言っても自前の工房で やるんだったら掛かるのは人件費+αだけ。 売値140万−買取値40万円−板金代30万円=粗利70 万円。  これは儲け過ぎダロ。
 マーチの方は、年式相応にヤレているけど、外傷が殆ど無いので内外装のクリーニングだけで店頭 に置けちゃう。  平成10年式だから年式としては古いけれど、走行距離はたったの2万5000キロ。   もちろん、無事故無板金。  それなのに、ああそれなのに。  買い取り査定はタッタの5万円也。
 他の中古車屋もネット上の評価が五十歩百歩だったので、(ヤフオクに出しても良かったのですが、 名義変更のリスクが伴うため避けました)諦めて5万円で手放しましたが、釈然としません。  やっぱり 手持ちのクルマは、新車を買う時に下取り車として値段交渉に使った方がイイです。  素で売ると、不 人気なゲームを中古ショップに売る時のような理不尽感を味わされます。

 さて、BORAってどんなクルマなんでしょうか?
 諸元は【Yahoo自動車】や【carview】のカタログを参照して頂くとして、私のレビューは、

○:一応高級セダンの仲間だと思いますが、扱いに困らない程々の大きさ(全長4375mm×全幅 1735mm×全高1445mm)に抑えられています。

○:アクセル開度に対する出力やブレーキ踏力に対する制動Gの立ち上がり方に全くクセがない。
 スポーツモデルのMT乗りの方なら「そんなことアタリマエやん」と思われそうですが、実はAT車の多く が小さなアクセル開度で急激に発進したり※注1、低速域でブレーキ踏力を僅かに加えただけでカッ クンと急ブレーキになってしまったりしてしまう※注2んです(特にトヨタは酷い)。
 この点に関してBORAは素晴らしく良く躾けられています。
 普通に発進加速して普通に停止することが出来ます。

※注1:原因
(1)入力軸と出力軸の回転差でトルクが増幅するトルコンの特性を上手く誤魔化せていない技術の低さ。
(2)あえてスロットルを非線形にしたり、ストールトルク比の大きいトルコンを使って、強力な発進トルクを演出している。

※注2:原因
(1)マスターバックのバルブ精度が低い
(2)バルブの開き始めに空気がドバっと流れるようなバルブを使って、非力な制動力を誤魔化している。

○:徹底してアンダーステアが維持されるステアリング特性。  車速を上げると強アンダーに。  急な アクセルOFFやチョンブレ(旋回制動)でもオーバーステア傾向化は殆ど起こらず、下手にステアリング をコジってもリバースステアに陥りません。

○:軽いという程軽いワケではありませんが、1ton半超がアタリマエの高級セダンにしては比較的軽い (車両重量1380kg)。

○:高級感のある本革シート。  日本の自動車に採用されている本革シートと質感が全く違う(親父の プログレの本革シートなんて、変に滑るし、蒸れるのでビニールみたいだ)。


×:おそらく環境に配慮しての仕様だと思うのですが、強制的にエアコンをONにすることができません。
 エアコンモードにしていても、外気温度が高くないとエアコンがONにならないため、「冬場の降雨/降 雪時に暖房を掛けた際に起こるガラスの結露をエアコンで取る」ということが出来ません。  湿度の低 い欧州でなら、この仕様に何の問題も無いと思いますが、多湿な日本で売るにはマズイ仕様です。

×:ステアリングインフォメーションが希薄。  反面、操舵は結構重い。  なんだかPS2のクソゲー【街 道バトル】をGTフォースproでプレイしているみたいだ(笑)。

×:ATの操作レバーがゲート式じゃなくて、T型レバー式。  誤操作し易いから嫌いなんだけどなぁ。

×:給油口やボンネットを開くレバー(またはボタン),電動格納ドアミラーの開閉ボタンなどが、多くのク ルマと共通の場所に無い。

×:ヘッドライトが冗談みたいに暗い。  CP9Aと同じくらい暗い。  K11マーチが明るかった(汎用HID を装着したCP9Aよりも明るかった)だけに辛いです。  上級グレード純正のHIDと交換、あるいはアフ ターマーケットの汎用HIDシステムの取り付けが必須なのでしょうか。

×:排気量が半端(2324cc)。

×:内装の夜間照明(スイッチ類のイルミネーション)が下品。

×:2.3Lの排気量でたったの170馬力しかないくせに使用燃料が無鉛ハイオク指定(直四2.0Lモデルの 116馬力&無鉛ハイオク指定よりはマシだけど)。

×:リアシートのシートベルトのバックル(♀側)が半分シートに潜っているため、チャイルドシートにガキ を座らせてシートベルトを装着しようとすると、♂側のバックルに押されて♀側が逃げる(シートの奥へ 沈む)。

×:スポーツ性が希薄なモデルなのに、何故かリアスポイラーが標準装備。

 …てなトコロです。
 クルマに変なステータスを求めないなら良いクルマだと思いますよ。
 エアコンとヘッドライトだけはどうにかして欲しいと切に願いますけどね(笑)。


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