過去ログ（2006.12.13～2007.11.02）百件

２００７年０３月１７日　従軍慰安婦問題に関する考察

　なんか知らない間に似非日系米国人なんちゃらホンダ氏の布教活動が実って、今更乍に従軍慰安婦問題がキナ臭くなっていますね。　　個人的に「無かった派」なんですけど、ネット上の論争で出てくる「あった論」も「無かった論」もちょっとオカシイので、ここで今一度再確認しておくことにします。

（１）慰安婦(※)が居たのだから、日本の戦争犯罪としての従軍慰安婦（※）問題はあった。

　論争を傍観していて一番「おいおいおい」と思うのは、コレ。
　「慰安婦が居たのか or 居なかったのか」という設問なら「居た」が正解。
　ただし、当時は慰安婦の存在が適法であった。
　だからコレは少なくとも日本の戦争犯罪ではない。
　コレを問題視してしまうと、たとえば仮想の将来、理髪店や飲食店，自動車整備工場などが違法となった場合において、理髪店や飲食店，自動車整備工場の営業を許していた『現在の日本政府』が犯罪者として弾劾されることになってしまう。
　そんなことはあってはならない（＝法における不可遡及の原則）。　　将来に立小便が死罪になるとしても、昨日立小便したオッサンが将来死刑台に上がることがあってはならないのである。
　したがって、慰安婦そのものが当時適法であった以上、慰安婦が居たこと自体は、「日本の戦争犯罪としての従軍慰安婦問題がクロ」ということの論拠にならない。

※ 「従軍」とは軍属を意味する言葉です。　　WW2当時各国に慰安婦は居ましたが、少なくとも 日本軍が対価を払って利用した慰安婦に軍属は居ません。　　したがって、正鵠を期す表現に おいて“従軍慰安婦”という言葉は間違いです。

（２）慰安婦として働くことを望んでいなかったのに、人狩りによって強制的に連れて来られ（＝ 狭義の強制連行）無理矢理慰安婦として働かされた。　　したがって、日本の戦争犯罪としての 従軍慰安婦問題はあった。

　これも正しくない。
　「日本の戦争犯罪としての従軍慰安婦問題」であるなら、人狩りに日本政府が関与していた証拠がなくてはならない。
　現地の個人が私欲から、一般家庭に押し入り、そこに居た婦女子を捕まえて攫って行ったとしてもそれは日本政府が責任を負わなければならない問題ではない。

　これは譬え“現地の個人”が日本国軍の軍人であっても同じである。
　当時の慰安所（売春宿）には、軍職の位によって行為を致す部屋や相手の女性が決まっているモノもあった。
　平たく言えば、お偉いさんはシティホテルのような場所の柔らかなベッドの上で若くて美人なナイスバディの乳を揉み、新兵は畜小屋のような場所の煎餅布団の上でオバタリアンの三段腹を揉んでいたのである。
　そうとなれば、お偉いさんが自分好みの慰安婦を欲したとしても不思議はない。
　人狩りが行われるのを承知で業者に金を払って好みの娘を調達させたり、御自らが陣頭指揮を取って人狩りに参加したりする者も居ただろう。
　しかし、譬えそのような事件があったとしても、それは日本の戦争犯罪としての従軍慰安婦問題ではない。
　何故ならそれは個人の犯罪であって、国家の関与による結果ではないからである。

　ちょっと話が逸れるが、慰安婦問題で謝罪と賠償を求められたネトウヨは、決まって「韓国軍がベトナム戦争で犯した婦女暴行問題」を挙げる。
　しかし、これは慰安婦問題に対する反駁として不適切である。
　ベトナムの婦女子を強姦して多数の私生児を生ませた極悪人どもは、確かに韓国軍人であったとしても、韓国政府の命令で強姦したわけではない。　　あくまで、複数の個人が罪を犯したのであって、個人が刑法の捌きを受けるとも韓国政府が謝罪したり賠償したりするのは、筋が違う。
　分かり易く譬えるなら、今、日本人男性が韓国女性を強姦しても日本政府は謝らないし、逆に韓国人男性が日本女性を強姦しても韓国政府は謝らない・・・そういう話なのである。　　たしかに、自国の軍人の行為に対して管理を怠った非は韓国政府にある。　
　しかし、 [ 根本に日本政府の関与を問題にしている従軍慰安婦問題 ] と [ あくまで個人犯罪であった韓国軍のベトナムでの強姦 ] は似て非なることを、心得なくてはならない。

　閑話休題。
　つまり、慰安婦の問題を日本の戦争犯罪として弾劾するのであれば、個人の行為があったという証拠に意味はない。　　あくまで人狩りに日本政府が関与していたという証拠がなくてはならない。

（３）慰安婦として働くことを望んでいなかったのに、楽して沢山の給与という甘言に騙されて（＝ 広義の強制連行）慰安婦として働かされた。　　したがって、日本の戦争犯罪としての従軍慰安 婦問題はあった。

　これも基本的に（２）と同じ。
　女衒に対して日本政府が仕事内容を話さないように緘口令を強いており、なおかつ応募後に仕事内容を知った婦女子に対して、日本軍人が日本政府の命令を受けて慰安婦としての仕事を強要した（あるいは、業者に仕事を強要するように指導していた）という証拠（＝もちろん、政府発行の命令書）があるならクロである。
　しかし、実際は「慰安婦」と明瞭に記し、如何に高給であるかを謳った新聞広告が残っている。
　「あった派」は、この新聞広告に対しても尚、「餌に過ぎない偽り広告」と抗弁するが、先述の通り、当時売春行為そのものが適法であった。　　つまり、売春婦を募集するのに敢えて嘘偽りの撒き餌広告を打つ必要性は全くないのである。
　うがったモノの見方をすればシロウト女を有難がる助平どもの需要を満たすために「餌に過ぎない偽り広告」を打った可能性も否定できない・・・いやいや。　　否定できますって。
　そもそも日本語で書かれた広告なんだから、アタリマエのことだが日本語の読める女性を対象にしている。　　したがって、この広告が「偽り広告」として有効になる相手は、日本語が読めて尚且つ“慰安婦”の意味が分からないという極少数に限られてしまう。
　もし、ウブ（死語）なシロウトを騙して慰安婦にする目的で偽り広告を打つのであれば、決して「慰安婦」という文字を使うことはアリエナイ。
　「慰安婦と書いておけば、後から難癖付けられた時の言い訳になる」という発想があるなら、それは大間違いだ。　　騙されたことに気付いたシロウト女が踵を返して逃げ帰ることが出来るのであれば未だしも、慰安婦は強制労働であったということになっているのであるから、騙しであろうと何であろうと連れて来てしまえばコッチのモノ。　　わざわざ応募者が減ってしまうキーワード【慰安婦】と書いている時点で、この広告は慰安婦という売春婦を公募している広告としか判断できません。

　・・・という点を踏まえれば解る通り、日本の戦争犯罪として従軍慰安婦問題を弾劾するのであれば、唯一「日本政府が（広義であれ狭義であれ）強制連行に関わった証拠（＝命令書）を示す」以外にないワケです。　　慰安婦が居たとか、彼女達の処遇が悪かった（残っている記録によれば、良い待遇だったのですが）とかいうのは、日本の戦争犯罪に何の関係もありません。

　だから、逆にいえばその点が満たされない（証拠が示されない）以上、日本の戦争犯罪としての従軍慰安婦問題は“シロ”になってしまうわけです。

　もっと頑張れ！　自称被害者と自称良心的日本人たち！

　というワケで、以下毎度お馴染みリンク集。

■「あった派」■

・　green - 従軍慰安婦問題を巡るとりあえずの考え

・　モジモジ君の日記。みたいな。 - 従軍慰安婦問題何が問題なのか

・　いったい何年たったら、従軍慰安婦問題や南京大虐殺などの過去の亡霊から日本は開放されるのだろう。

・　いわゆる「従軍慰安婦」問題について-タカマサのきまぐれ時評

・　ianfu-FAQ

・　べそかきpaintboxの言いたい放題:従軍慰安婦問題

・　女性のためのアジア平和国民基金（アジア女性基金）

・低気温のエクスタシーｂｙはなゆー　2007年03月12日〔性奴隷の資料〕　「慰安婦」問題調査報告・１９９９
→ pdfファイル「政府発表文書に見る『慰安所』と『慰安婦』」
→ pdfファイル「防衛庁防衛研究所所蔵<<衛生・医事関係資料>>の調査概要
→ pdfファイル「『半島女子勤労挺身隊』について」
→ pdfファイル「日本占領下インドネシアにおける慰安婦－オランダ公文書館調査報告－」
→ pdfファイル「雲南・ビルマ最前線における慰安婦達－死者は語る」
→ pdfファイル「インドネシアにおける慰安婦調査報告」
pdfの著者による赤色偏向フィルタが掛かった文章なので、知識の不十分な人は見ない方がイイです。　　アカのロジック（理論展開の手口）を知る目的で読むと為になる貴重な資料なんですけどね。

■「なかった派」■
・　Media Watch: 「従軍慰安婦」問題（上）～日韓友好に打ち込まれた楔～

・　Media Watch: 「従軍慰安婦」問題（下）～仕掛けられた情報戦争～

・　慰安婦 Wikipedia

・　歴史関係「従軍慰安婦」

・　慰安婦のための反日から反日のための慰安婦へ

・　こん: 従軍慰安婦から奪った財産！…恥を知れ！

・　検証：朝日報道
　■従軍慰安婦問題
　[01]慰安婦問題年表
　[02]オペレーション従軍慰安婦
　[03]問題の争点

・　アジアの真実:韓国・従軍慰安婦問題 - livedoor Blog（ブログ）
→ 2007年03月28日基礎からわかる「慰安婦問題」　　～読売新聞紙面より～
→ 2005年01月21日作られた「従軍慰安婦」（1）
→ 2005年01月22日作られた「従軍慰安婦」（2）

・　従軍慰安婦という嘘

・　Yahoo!ブログ - 松尾光太郎 de 海馬之玄関BLOG

・　「従軍慰安婦」問題は政治問題か歴史問題か飯大蔵の言いたい事 ...

・　米山隆一の10年先のために:Dear Representative Mike Honda -従軍慰安 ...

・　従軍慰安婦の証言のウソ

・　草莽崛起ーPRIDE OF JAPAN 所謂｢従軍慰安婦｣問題の根にあるもの（日本 ...

・　air_check 従軍慰安婦問題への素朴な疑問

・　博士の独り言～2007/02/13(火) 00:28:31 侮日米議員と創価学会の反日活動！

☆YouTube動画☆
・　「『慰安婦問題』おさらい10問10答」2-1(H19.3.14)
・　「『慰安婦問題』おさらい10問10答」2-2(H19.3.14)
・　「慰安婦『強制連行』のおウソ」（H17.6.15)
・　「朝日の捏造から始まった慰安婦問題」(H17.6.6)

☆資料☆

・　慰安婦」問題と歴史修正主義についての略年表

・　慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話 Wikipedia

・　従軍慰安婦問題に関する自由主義史観からの批判を検証する　白石秀人

・　小野田寛郎氏「私が見た従軍慰安婦の正体」

あの被洗脳者集団「中帰連」の記事なので、信用度ゼロですが
・　私が知る「従軍慰安婦」

　無かった派の理論の中には、「買春をすること自体がイケナイ」という当時の価値観を丸っきり無視した暴論もありました。
　まぁ、私の『日記』も含めてブログに何を書こうが本人の勝手なんですけど、歴史問題を感情論で語るのは痛すぎます。

　幾らかマトモな「あった理論」も、中身はボロボロなんですけどね。

[サヨ] 日本政府が直接（狭義もしくは広義の）強制連行を行わなかったとしても、日本政府が業 者に売春婦の手配を発注している（←これは記録の残っている事実）以上、「知らなかった」は 通らない。　知ってて看過したのであれば業者と日本政府は共犯関係にある。
[keibow] 知ってて看過しなかったんだから“シロ”でしょ？
「慰安婦のための反日から反日のための慰安婦へ」より、
「日中戦争における慰安所設置の為、募集業者が慰安婦を募集する際、
１．日本軍の名義・権威を利用し、その結果日本軍の威信を傷つけ、庶民の誤解を招く事例。
２．従軍記者、慰問者などを通じて、不統制に募集し、社会問題を惹起する事例。
３．慰安婦を募集する業者が相応しくない場合、誘拐に類した方法を使い、警察の検挙・取調べを受ける事例。
以上のような、注意を要する事例が少なくないので、今後、慰安婦の募集に関しては、派遣軍がこれを統制し、慰安婦募集業者の選定を周到・適切に行い、慰安婦募集に際しては、関係地方の憲兵、警察当局と協力すること。
日本軍の威信保持、また社会問題上、遺漏のないよう十分配慮することを依命、通牒する。」
　共謀して強制連行を看過していたならこの通達はアリエナイでしょ。

[サヨ] 白馬事件が実際に起こっている以上、他の国でも同様の戦争犯罪が起こっていたと考え るべきである。
[keibow] いやまぁ、何に驚くって当の左翼たちが「これが自爆だと気付いていないこと」に驚くよ。
　慰安婦問題を日本の戦争犯罪として扱うために必要な前提条件は、言うまでもなく「当時の日本政府が慰安婦の処遇や慰安婦募集に於いて（狭義もしくは広義の）強制連行に関わっていた」というコト。
　逆に言えば、「当時の日本政府が慰安婦の処遇や慰安婦募集に於いて（狭義もしくは広義の）強制連行に関わっていなかった」のであれば、日本の戦争犯罪としての従軍慰安婦問題は“シロ”になってしまう。
　さて、白馬事件で日本政府の立場はどうだったかな？
　上の立場の軍人が事実を知った時点で慰安所を閉鎖してしまったのではなかったかな？

　日本政府が白馬事件という「（狭義の）強制連行をせよ」という命令を出していたのであれば、小田島薫大佐が軍本部に報告して慰安所を閉鎖するのはオカシイ。　　握り潰してしまえば済むことだ。　　もし、「機密が漏れて国際世論がヤヴァイことになりそうだった」と言うなら、約35名のオランダ人女性を粛清してしまえば済む話だ。　　だが、その選択肢は選ばれなかった。　　慰安所が閉鎖されたのだ。

　それはつまり、日本政府は白馬事件を容認しなかったという意味しか持たない。

　犯行者である第一六軍幹部候補生隊が、陸軍刑法に則って処罰されなかったことは問題だと私も思うが、少なくとも『白馬事件』が日本政府の命令に従って行われた事件ではないことは明白だ。　　むしろ、当時の日本政府の意向から離脱していたからこそ、慰安所が閉鎖されてしまったのである。　　ちゃんと考えれば答えは明白、『白馬事件は日本の戦争犯罪の証左ではない。　　むしろ逆だ』という結論以外に辿り着かない。

　それが判ってる賢いサヨ・サイトは、決して白馬事件に触れないんだけどね（笑）。
　判らないバカが、渾身の力を込めて地雷を踏む。

　哀れだ。

■□■□2007.04.07■□　在りそうなF&Aをふと思いついたので補足しておきます。

【サヨ】オランダ抑留民団が小田島薫大佐への直訴に及んだ後、軍が慰安所を２カ月後に閉鎖し たのは遅すぎる。　　この期間の長さこそ、日本政府が狭義の強制連行に関与していた証拠で ある。

【Keibow】この期間の長さこそ、日本政府が狭義の強制連行に関与していなかった証拠です。
　慰安所なのですから、そこに居るのは職業売春婦です。
　慰安所が閉鎖されて困るのは、その慰安所を利用している兵隊さんたちと、そこで働いている売春婦たちです。
　当時、売春は合法でしたから、今の倫理観で想像してはいけません。
　彼女たちは、仕事に誇りを持つ職業婦人だったのです。
　今の感覚で言うワーキング・ウーマン以外の何者でもありません。
　つまり、慰安所を閉鎖するということは、日本国が要請して現地の業者が用意した彼女らの仕事場が無くなるということです。
　仕事場を失うことに彼女たちが反発したことは容易に想像できます。
　なにせ、現在において尚、彼女たちは性風俗産業への取り締まりに対してデモを起こしているのですから。
　参考URL → http://www.geocities.jp/savejapan2000/korea/k081.html
　したがって、彼女たちに仕事場を与えなくてはなりません。
　しかし、遠い慰安所へ移動するのを嫌がる慰安婦も居たでしょう。　　移動先に古くから居る慰安婦が、（彼女たちがくることに因って）過当競争になるのを嫌がったでしょう。
　そうした擦り合わせに掛かる労力を考慮すれば、直訴から閉鎖まで２ヵ月掛かっても不思議ではありません。

　むしろ、直訴から閉鎖まで２ヵ月掛かったことこそが、日本政府が狭義の強制連行に関与していなかった証拠です。
　もし、その慰安所に居たのが、意思に反した強制で連れて来られた女性ばかりであったなら、直ちに閉鎖することが可能なのですから。

　すべての「？」に、「それは日帝の所為だ」で終わらせてしまうのを「思考停止」と言います。

　直ちに閉鎖することができなかった → 直ちに閉鎖できない理由があった → それは何？　　…と考えなくてはなりません。

　まぁ、それができる人は、「サヨ」になりませんが…