過去ログ(2008.04.30〜2009.02.13)百件

2008年12月17日 変なの見つけた。
 田中ミノルの勝手にドラテク講座!
  <2007年12月5日> 
 第51回
 「足回りのセットアップ 13」 <アライメント編B> 
 
 http://www.billion-inc.co.jp/lecture/no51.html

 > ●理由その2
 > ステアリングレスポンスを向上させるために"トーアウト"にします。
 > なぜ、"トーアウト"にすると、レスポンスが良くなるかというと、タイヤの「ヨレ」に秘密があります。
 >
 > 下の画像を見てください。
 >
 > "トーアウト"の状態で直進すると、少しですがタイヤが外側に「ヨレ」た状態になります。
 >
 > たとえば、この状態から左にハンドルを切ると、
 > 右フロントのタイヤは、外側にタイヤが「ヨレ」ている状態から、
 > 一気に内側に「ヨレ」る状態に変化します。
 >
 > そして、この「ヨレ」の方向が変わるとき、
 > 車体もタイヤの上で、一気に右へ動き、「ヨレ」が止まった瞬間、
 > 急激に荷重が右フロントのタイヤにかかります。
 >
 > 結果、右フロントのタイヤのグリップが、瞬時に立ち上がることで、
 > ステアリングレスポンスが向上するのです。
 >
 > 理解できましたか?

 すみません。
 アタマの悪い圭坊は理解不能です。

 少なくとも市販車のフロントタイヤに限って言えば、トーはタコ糸を張って(もしくは目視で適当に)散々 トライ&エラーし倒したので、自分はそれなりに理解できているつもりでしたが・・・これは意味不明。


 > 右フロントのタイヤは、外側にタイヤが「ヨレ」ている状態から、
 > 一気に内側に「ヨレ」る状態に変化します。

 って。
 最初から内側に「ヨレ」ている状態の方がレスポンスは早いでしょ。


 > 車体もタイヤの上で、一気に右へ動き、「ヨレ」が止まった瞬間、
 > 急激に荷重が右フロントのタイヤにかかります。

 サスペンションの稼働時間が同じなら荷重移動量の変移(たとえば100分の1秒毎の荷重移動変化量)は同じ ですよ。(荷重移動は単純に水平Gおよび単位時間あたりの姿勢変化量に依存し、タイヤの状況に依存しない)


 トーアウトにした方が高レスポンスになる理由を敢えて捏造するなら、トーアウトで直進中の前輪が (接地面が外側へ引っ張られるために)見掛け上のネガティブキャンバー状態になっているからでしょう ね。 てんで的外れですけど(笑)。

 現実問題として検証するなら、前輪のトーアウトは単純に初期応答が鈍いので無意識に多くステアリ ングを切り込み、その結果として急激なヨー変化を生じているのを「ハイ・レスポンス」だと誤認している だけでしょ。

 普通に「理由その1」だけ書いてれば良かったんじゃないのカナ。
 (「理由その1」はちゃんと道理が通っている)





 ついでに書いておくと。
 その次の記事もかなり変だ。


 田中ミノルの勝手にドラテク講座! 
  <2008年1月8日>  
 第52回 
 「足回りのセットアップ 14」 <アライメント編C> 

 http://www.billion-inc.co.jp/lecture/no52.html

 > トーアウトなら、
 > コーナーに対して外側のリアタイヤが、外向きにヨレている状態から、
 > 一気に内側にヨレている状態に変わります。
 > この時、フロントと違って、操舵しないリアは、
 > 車体がタイヤの上で真横にスライドすることから、慣性がつきO/S となってしまいます。

 その理屈で言うと、パッシブステア機構を持つリアサス(ハイキャスやバイザッハアクスルなど)も車体 がタイヤの上で真横にスライドすることから、慣性がつきO/S となってしまいますYO。

 リアタイヤのトーイン/トーアウトがステア特性に影響を及ぼす理由は、単純に、旋回Gで荷重の掛か っているアウト側リアタイヤは、トーイン分だけ横滑り角が増えるからですよ。

 オーバーステア/アンダーステアってのは旋回に必要なヨー角運動量に対して、実際のヨー角運動量 が過大か過小かの違いで生じる。
 ヨー角運動量はヨーモーメントに依存し、ヨーモーメントは [ 横G ] と [ 4輪が生む横力 ] によって決 まる。
 前者の着力点は重心、後者の着力点は重心の前方にある。
 4輪が生む横力の着力点は、リアタイヤがトーアウトであることに因って荷重の大きいアウト側リアタ イヤの横滑り角が小さく(=横力小さく)なると前進して重心から遠ざかる。
 後は単純にテコの理屈で、 [ 重心 ] と [ 4輪が生む横力の着力点 ] が遠くなればZ軸を捻じるヨーモ ーメントは大きくなって、オーバーステア傾向を示す。

 トーインの場合は、以上の逆でアンダーステア傾向を強めるというダケの話。


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